学会案内

会長挨拶

 日本ストレスケア病棟研究会は、新型コロナウイルスの影響で第24回大会は中止となりましたが、2020年8月時点で会員施設は21施設になりました。この間精神科医療の役割は大きく拡大し、各医療施設においてもうつ病を中心に外来は増加の一途をたどっています。企業でもストレスチェックの法制化が進み、さらにうつ病を中心に精神医療への関心は高まると予想しています。一方、この30年間を見ますと精神疾患の大きな変化が見られます。それは、精神疾患の軽症化です。うつ病も同様に軽症化と多様性が指摘されています。軽症化の変化を受けて、外来うつ病の増加は顕著ですが、入院とどのように連携を図るかが課題になってきます。入院でのうつ病治療を考える時、従来の入院とは大きく異なるのは、ほぼ全員が任意入院で開放処遇という事実です。問題は患者さんや家族の評価をどのように保ってゆくかが課題となってきます。従来の精神疾患と比較すると、有病率や再発率の高さは顕著です。そのような意味でも患者さんから評価を受ける必要性が求められます。この結果、当研究会では、年1回の研究会に加え、精神保健福祉士部会に続き、作業療法士部会を立ち上げて研鑽を積み重ねています。


 当研究会の研究成果のひとつに、自殺が防止できている事実が挙げられます。日本における自殺者は、2012年に3万人を下回りましたが、依然として2万を超えており、大きな社会問題として取り上げられ、厚生労働省をはじめ国をあげて対策に取り組んでおります。我々の日本ストレスケア病棟研究会での自殺に関する調査では、2018年12月末までのうつ病患者さんの治療成績については、全入院患者数58,673人のうち、自殺者は88人(自殺率0.15%)であり、今後の研究会の治療成績に関心が高まると考えています。


 このように日本ストレスケア病棟研究会では、全会員病院が社会のニーズに応えるべく、うつ病患者さんへの治療内容を多軸的に捉え、心理療法(カウンセリング)の充実、復職支援プログラム、治療を受ける施設・病室の環境整備、新しい薬物による治療法の開発など、患者さんの早期回復を考えた治療を心がけておりますが、今後も更なる治療方法の充実と新たな研究の推進に努力していきたいと考えております。

会則(規約)

日本ストレスケア病棟会員規約を以下に示します。

日本ストレスケア病棟研究会規約

【名 称】
第一条 本会は、日本ストレスケア病棟研究会と称する。

【目 的】
第二条 本会は、刻々変化する時代の影響によってもたらされた様々な環境及びうつ病の増加といった深刻な問題に対し、精神医療に関るものとしての役割を模索研究する。さらにチーム医療の実践をとおして精神医療の拡大をはかり、社会の要求にこたえ、今後の精神医療教育の充実に貢献する事を目的とする。

【事 業】
第三条 本会は、前条の目的を達成する為、次の事業を行う。
    一 ストレス疾患及びストレスケア病棟に関する知識及び技術の向上に関する事。
    二 ストレス疾患及びストレスケア病棟に関する調査、研究に関する事。
    三 目的達成の為の社会への提言に関する事。
    四 その他、目的達成に必要な事。

【会 員】
第四条 会員は、日本においてストレス疾患の専門病棟を有している施設で、本会の目的に賛同し、この会の事業に主体的に協力する病院を施設会員と称する。また、ストレス疾患専門病棟(病床)を有さない病院または診療所で入院が必要な場合など病診連携により相互の機能を向上させる目的で本会に賛同し、協力するものをストレスケア連携会員と称する。さらに、本会の方針・理念に理解し、運営補助協賛を通じ趣旨に賛同する企業を賛助会員と称する。
以上、この3種の会員を持って本会を構成する。

【入会および退会】 
第五条 本会への加入は、二名以上の幹事の推薦そして会長ならびに各加入施設代表者(幹事)の承認を必要とする。
  2 本会からの退会は、会長ならびに各加入施設代表者(幹事)の承認を必要とする。

【役 員】
第六条 本会に次の役員をおく。
    一 会長 一名
    二 副会長 一名
    三 幹事 各加入施設より一名
    四 監事 一名

【役員の任務】
第七条 役員の任務は、次の通りとする。
    一 会長は、本会を代表し、会務を総括する。
    二 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代行する。
    三 幹事は、会務を審議、執行する。
    四 監事は、幹事会が選任し、本会の事業の執行状況を監査する。

【役員の選出】
第八条 本会の役員は、総会における互選とする。

【役員の任期】
第九条 役員の任期は、二年とし再任をさまたげない。

【幹 事】
第十条 幹事は、各施設の中から推薦により、一名選出する。

【報酬及び費用代償】
第十一条 役員はすべて無報酬とする。

【事務局】
第十二条 本会の事務を処理する為、事務局を設ける。
   2 事務局は会長の所属する病院内におく。
   3 事務局員は会長が任命する。

【本研究会】
第十三条 日本ストレスケア病棟研究会、全体の本研究会は、年1回各会員病院持ち回りで開催するものとする。
   2 開催地、内容等は幹事会にて決定する。

【幹事会】
第十四条 日本ストレスケア病棟研究会幹事会は、原則年二回、会長が正会員病院幹事を招集する。またその議長は会長が指名する。
   2 幹事会の付議しなければならない事項は、次のとおりとする。
    ・研究会内容、形式、開催地等について
    ・規約の改正・変更について
    ・役員選出および事業方針について
    ・予算及び決算について
    ・その他の重要な事項
   3 幹事会の議決は出席正会員病院幹事の過半数によって決する。

【経 費】
第十五条 本会の経費は、会費その他の収入をもってこれにあてる。

【年会費】
第十六条 本会の施設会員として入会するための入会金は1施設十万円とし、年会費は、1施設あたり五万円とする。ストレスケア連携会員および賛助会員の入会金は不要とし、年会費はそれぞれ五千円・二十万円とする。


【会計年度】
第十七条 本会の1会計年度は、毎年4月1日から、翌年3月31日までとする。

【附 則】
この規約は、平成12年4月1日から施行する。
平成19年4月 一部改正
平成20年4月 一部改正